~第三回設立準備会報告~
「どうする介助」

今回は虹の会の方々をお迎えして「介助派遣システム」についてお話を伺いました。

はじめに

 去る7月1日(土)に虹の会の方々をお迎えして、第三回の自立生活センター設立準備会がつくばアルスで行われました。会の冒頭、呼びかけ人代表者によるあいさつ、参加者全員の自己紹介、前回準備会の報告、前回以降の活動報告が行われました。

 6月17日に行われた企画では11名の参加があり、「わたし買い物に出たい」というテーマで、親を説得して介助者を見つけるところまでのロールプレイを行ったこと、みな名優となって笑いあふれる楽しい会になったという報告がありました。また、若葉基金については、つくば学園都市周辺のバリアフリーチェックの企画で申請するという報告がありました。

 つづいて、今回のメイン企画「どうする介助」ということで、虹の会の方々に介助派遣システムについて、次のようなお話を伺いました。

虹の会とその歴史

 虹の会は「どんなに障害が重くてもあたりまえに暮らしたい!」を合い言葉に、埼玉県浦和市で活動している団体(現在、JILの未来会員)である。活動は幅広く行われており、障害者スタッフ8人・健常者スタッフ4人・会員数250人にものぼる。

 虹の会は、17年前にある一人の障害者の自立をサポートする目的で設立された。当初は学生や主婦といったボランティアで介助を行っていたため、いつでも介助者が不足しているという問題を抱えていた。明日の介助者を確保するために一日中電話掛けをしているといった状況だった。よって、当時は自分の好きなときに食事をし、トイレに行き、お風呂にはいるといった普通の生活は望めない状態だった。

 その後、市民の方の協力を得ながらバザーによる収入を介助料として獲得したり、少しずつお金を出し合いながら介助者を雇っていった。介助を仕事として位置づけることによって、昔のように人の空き時間や人の善意だけに頼って生活するということはなくなった。

 今年度からは、浦和市からヘルパー派遣を委託され、NPO団体として活動するようになったことで、より安定した介助派遣が行えるようになった。障害者が普通に暮らしていくことのステップの一段階はクリアできた。

虹の会の「介助派遣システム」

 基本的に国県市町村が障害者が生活するための介助料は保障するべきであるという考え方に基づいて、また制度的な裏付けがあることを前提として、有料での介助派遣を行っている。 現在、利用者は15名でほとんどが自立生活者している人であり、それを支える介助者は登録数六十名を数える。 介助派遣はコーディネイトの効率などを考えて、Aグループ(24時間介助の必要なグループ)とBグループ(日に何時間とか週に何回とか単発で介助が必要なグループ)に分かれて行われている。 利用者はそれぞれ障害が違って得られている介助料が違うので、虹の会で受け取る介助料については上限を設けており、それを越してしまった分についてはシステムの方で保障することで、皆が必要な介助を必要なだけ得られるようになっている。 また、上限にいかない人の場合については3万円の固定料金を取っていて、事務所維持費など、システムの安定運用のために使っている。 介助者はパートタイムで働いてもらっている人と契約職員として働いてもらっている人とがあり、パートさんに支払われる報酬額は900円から年数によって少しずつ上がる。また、契約介助者については月俸制で支払われている。

Q&A

 つづいて、つくばの皆さんからたくさんの質問が寄せられました。その一部を御紹介します。

Q…どの様に介助者を募集してますか?
A…月一回の機関誌、ポスターやビラ、新聞の折り込み広告、民間のアルバイト情報誌に募集の広告を載せたりもしています。

Q…公的ヘルパー派遣と虹の会の介助派遣システムを比較して、どのような違いがありますか?
A…まず責任性という観点から大きな違いがあります。公的ヘルパーの場合その責任は会社なりヘルパーにあり、私たちの本意に沿わない場合が多々あります(例えば時間の制限や介助内容にも制限があったりする)。
 それに対して虹の会の介助派遣システムでは当事者(利用者)に責任性があります。自分の意志決定に基づいて介助者を動かしていけばよいというところで自分に責任があります。つまり自分が選んだ自分費用の介助者に必要な時間に必要な内容の介助を要求できます。そしてこのことは障害者の自立生活の第一歩だと思います。
 虹の会が目指すものは、一人一人にどういう介助が必要で、どういう生活がしたいのかを一緒に考えていく機関であり、当事者主体の介助システムです。 

Q…現在、浦和の介助保障制度はどのようなものがありますか?
A…ガイドヘルプ事業が月に80時間、ホームヘルプ事業が月に240時間程度、それから、生活保護の特別介護料が利用できます。(つくば市の場合、ガイドヘルプ事業は条項にはなく、ホームヘルプ事業が月に90時間、生活保護の特別介護料は同じ)

Q…介助者が来ないときはどうしてますか?
A…虹の会の介助派遣システムでは、介助者には仕事として契約した上で、それぞれローテーションに入ってもらっているので、基本的に介助者が来ないということはありません。 また、急な用事で介助に入れなくなった場合などについては、虹の会のコーディネーターが介助職員に連絡を取り代わりを見つけたり、契約介助者が対応するようになっています。

Q…介助の時間が足りません。保障時間を延ばすためにはどの様に交渉していったらよいのでしょうか。
A…基本的には介助の必要性を行政側に納得させることが大事です。担当者に自立生活とは何か、どういう介助が必要なのかを具体的に根気強く訴えていく必要があります。虹の会ではその様な場合のサポートも行っていて、当事者とともに窓口まで行って交渉のお手伝いをしています。

Q…介護人派遣システムを有料にするメリットは?
A…介助を仕事として位置づけることで、安定して介助者を確保することができ、介助のレベルも高いものにしていけます。また、利用者と介助者の間に雇用関係があることは、両者間でのトラブルをある程度予防するといったこともあります。利用者においては、自分で介助者を育てるということを強く意識するようになるというメリットもあります。

おわりに

 寄せられた質問からもわかるように、つくば市周辺で自立生活をされている方々は、十分な介助者を確保することが困難である。この介助者不足を解決するための介助保障を充実させていくための運動を行ったり、あるいは介助者を募集しそれをコーディネイトしていくことを個人で行うことは(特に重度の障害者には)重労働である。生活の殆どの部分を介助者を見つけることに費やしている人もいるかも知れない。

 今回、虹の会の介助システムのお話をお聞きして、改めてつくばにも自立生活センターが必要であるということを確認できたのではないだろうか。




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このページは2000年10月6日に初めて公開しました。