2001年3月17日全体ミーティング実施・4月21日報告作成
(大きな問い)「実現する会の存在意義とは?」報告
<3月17日の話し合いの目的>
現在、実現する会は、主に自立生活を実現している障害者に対して介助を行う団体として活動している。これまで「・・してほしい」と連絡してきた外部の障害者に対し、介助力の不足を理由に断ってきた例がけっこうあると聞いている。ところで、前年度から新しく会に関わりはじめた障害者がいて、その中には自立生活をしたいという障害者もいるし、当分はしない、する気はないという障害者も含まれる。それぞれに対し実現する会としてどう関わっていくのか。4月7日のやすさんMLオフ会も目前ということもあり、今回は学習係が、新しい障害者ヘの対応とともに会の方向性をみんなで考えていくことを目的に、この機会をつくりました。
■4/7交流会で「自立までの過程」を知りたいという要望に対して
>資料の準備
1)自立生活に向けて支援した障害者の例:宮本早苗さんの場合(1998年度;総会資料)
を使って説明することに。
(問い1)4/7の交流会で新たな障害者3人に対し、「自立までの過程」を説明することになったのだけど、「自立までの過程」を聞いた彼らはこれをどう受けとめ、何を感じるだろうか。
<意見の要約>
彼らは実現する会に対して、(自分たちも支援してもらえるんじゃないかという)期待を多少又はかなり持つのではないか。
(問い2)彼らから、彼ら自身の自立生活の実現の可能性を聞かれたとき、会としては何と答えますか。
特にこれといった意見はでなかった。
<問い2の考察>
実現する会が目の前の彼らに対して「自立生活は実現できます。」と言うことは、責任をもって取り組むという実現する会の姿勢を多少なりとも示すことになる。だから、現在の状況で、こんな質問を投げかけられると、簡単にはこたえることができないのではないか。
→問い5で考えることに。
■本題>問われる実現する会の姿勢 活動の方向性=「したい」活動を「できる」活動に
(問い3)自分たちが「したい」活動って?この中ではどれに近いだろう。
1)特定の障害者の介助の安定、質の向上をとことん目指す支援
2)周囲の障害者の生活の質の向上をも目指し取り組んでいく活動
3)その他
<出された意見>
・2)は「周囲」よりも「すべて」の障害者という表現のほうがしっくりくる。
・実現する会としては1)プラス2)の支援ができれば理想(多数の意見)。
●実際にできるかできないかの問題
a)外部からの要望に対して事実上断わる理由になっている”実現する会の現状”
『新たな障害者からの依頼について応えるだけの介助力を有しておらず、希望された依頼(自立生活の有無に関わらず、介助の必要性)に応えることはかなり困難である。とりあえず会員になって、会員と交流する中から、自分で呼びかけをしてもらって介助者を捜していくことはできるが、介助の保障や会からの積極的な自立生活の実現に向けての支援はできない。』
<出された意見>
・学生主体だから、じっくりとりくめそうな人がいないってこともあるのではないか。(他のことで忙しく)余裕がない。仕事じゃないから。
・現在ここにいるメンバーの中で、障害者の自立生活に至るまでの支援過程に関わったことがある人はほとんどいない。自立した後の障害者の介助しか経験していないので、わたしたちも自立生活に至るまでの支援の仕方が分かっていない。
b)「介助力の不足」の壁の具体的内容
・現在の障害者の介助さえ安定したものとは言いにくいのに、今以上に実現する会がかかえる介助量が増えると、新たな障害者の介助の確保はおろか、今までやっていた分の介助にも影響をおよぼすかもしれない。
・運営メンバー(係や役員)と現在介助によく入っている人がかぶっている現状の中でこれ以上何かできる余裕がない。
<出された意見>
・茨城の福祉サービスの貧弱さにも問題があるのではないか。介助活動をしている実現する会があるからって、つくばに出て来るのだったら、いっそ東京にでて自立生活をはじめたほうが彼らにとっても楽なのかなって思う。
(問い4)上に挙げた「介助力の不足」が解消するまで、今回の新たな障害者の自立生活に向けての積極的支援はやはり無理なのだろうか。
<出された意見>
・外出介助くらいならできる。→例えば、介助者募集のビラ配りなど、自立生活を念頭においた支援としても外出介助できるか。
→ビラ配りくらいならできるけど、それ以上の積極的支援はわからない。少しならできるかもしれないが。それでも、今よりは一歩踏み込んだ関わりができるのでは?例えば、週1回の外泊からとか。
<みんなの意識>
●何らかの(支援できる)方法がある・・多数
●分からない・・2人
(理由:やっぱり、しばらくは現状のまま模索するしかないのかなって思う。難しいなって感じる。)
<これまで会が自立生活を目指して支援しようと踏み切ったのは、介助力が十分足りてたからなのか>
・全然足りてなかった。たぶん、そんなことできるとは誰も思ってなかった。積極的にがんばろうという人が1人か2人いて、ビラまいたりして、介助者を新しく掘り起こしていった。最初から介助者がそろっていたわけではなくて、集まった介助者の人数に応じて介助のうまりぐあいが決まる具合だった。必要な介助力に応じて、会の規模も大きくなっていった。
→・介助者を新たに開拓すれば、介助力の不足の壁は解消される可能性がある。
→・場所も考慮に入れたほうがいい。例えば、開拓されてない土浦とか。
(問い5)彼らの自立生活に対し、実現する会の姿勢を示さなければいけない時期にきているのではないか。4月7日の交流会のことも考慮に入れて考えてみて下さい。彼らとは、今後どんな姿勢でつきあっていくべきだと考えますか。
例えば・・
- 「交流会やミーティングの参加は歓迎しますが、当分、自立生活に向けての支援は無理なので期待しないで下さい。」
- 「どんなことをしてほしいか具体的に指示してもらったうえで、それについてできるかできないか会の方で判断して決めるような支援の仕方ならできるが、こちらから積極的に支援することは期待しないで下さい。」
- 「共に自立生活の実現に向けて話しあい、こちらもできることからやっていきたいと考えています。」
<出された意見>
・実現する会の現状をそのまま伝えればいいと思う。すぐに、24時間体制の自立生活はできないので、20人から30人の介助者グループをつくる勢いがあればできる。おんぶにだっこでやってもらおうと期待してもだめだってことを伝える。彼らの(支援)担当をつけないとうやむやになる。僕らはやれる範囲でやりますって感じかな。
・わからない。むずかしい。
・指示してくれればやりますっていうBの姿勢は、会としては受け身的で1番楽だけれど、本当にそれでいいのかって思う。Cの意見に賛成したい。
・実現する会の現状と自立までの過程を彼らに示した後、彼らの判断を待ってから実現する会の姿勢を模索していってもいいと思う。
・前提として、すべてこちらで自立生活を御膳立てしてくれるって甘えてこられても困るってことを伝える。Bの具体的な指示に関しては、こちらでハウツーを教えるが自分で介助者を集めないといけないことを知らせる。会の交流の中で担当を見つけてってくれればいい。
→「自立生活に向けての具体的なアドバイスは、今度の交流会だけじゃなくて続けていくってこと?」
そう。びらまきや外泊の介助も出せるようなら出す。
→「ミーティングでも彼らの自立生活について取り上げ話し合っていく?」
それについては、彼らの一緒に話し合ってほしいという意思表示がほしい。
→「本人がいなくても、うちらだけで話し合っていけることもあると思うけど。」
できれば、中心になる人を見つけて、個人団体をつくってからそこで話し合ってほしい。
・実際会ってから考えていけばいいんじゃないかな。名前しか知らない相手だから、とりあえず相手のひととなりとか考え方とか知ってからじゃないと、相手のために何かしようって気になる人なんていない。何回か会って話して行く中で、がんばろうと思う人もでてくるんじゃないか。会うことを繰り返して行く中で、実現する会の姿勢を考えていけばいい。
・常に会の姿勢って問われ続けているのだと思う。だから、いつか決めればいいってことじゃなくて、本当は常に持っていなくちゃいけないものなのではないかと思うんだけど。
・今すぐ、これが会の姿勢だってひとつにまとめることはできない。彼らには、会側の方もとまどっていることも伝えればいいのでは。個人個人が(彼らへの対応について)自分の意見をいうしかないんじゃないか。
<結論>
結局、会の姿勢として統一した見解を出すことができませんでした。最後に唯一みんなで確認できたことは、会としては「今後も一緒に自立生活について話し合う機会を設けていきたい」と考えていることを彼らに伝えることです。
(宿題・問い6)「実現する会は何を目的に活動している団体か」と聞かれたときあなたは何と言って説明しますか。
■反省
・内容の濃い議論だったので、間に休憩をはさめばよかったかなと思っています。結構疲れたし。
・また機会をつくって話し合っていきたいです。みなさんも会の方向性について考えて下さい。
■配布した参考資料
1)会則第3条
2)「障害者の自立生活を実現する会」の歴史/『障害者の自立生活を実現する会』の発足に至る経緯
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