〜さすらいの語り部たち〜 7月のテーマ:「私の恐怖体験」 ●ロッカー永田さん |
これまで私は数々な恐怖を体験してまいりました。 小学校時代、昼寝していた私に「おい!」と声をかけた座敷わらし、 中学時代の肝試し大会で「何もなかったぜ!」と帰ってきた友人の後ろに連なる黒い影の行列、 大学時代誰もいないはずのアパートの部屋(2F)の窓から聞こえた「バカヤロー」の声、 しかしなんと言っても、高校時代の「ヤメロー事件」でしょう。 高校時代、私は寮に入っておりました。 「で、どんなだったの?」 Y君はあまりおしゃべりな方ではありません。 「最初は永田が遊びにきたのかと思って、めんどくさいと思ってよく確かめずにまた寝たんだ。でも次に起きてもまだいるんだ。横向いて寝てたから顔とかは見ていないんだけど、なんか俺の顔に息を吹きかけてるんだ。それでおかしいと思って顔をそっちに向けたら消えたんだ」 Y君は本当におびえています。 「しばらくこの部屋に寝泊りしない方がいいよ」 僕がそういった瞬間です。 「ヤメロー」
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