つくば市で自立生活する障害者でつくる 「障害者の介助制度を確立する会」が、つくば市議会議員野口修さんにガイドヘルプ事業について質問していただいたそうです。以下、ガイドヘルプの部分を抜粋してお知らせします。

2000年12月
つくば市議会一般質問


○19番(野口 修君)

 つくば市の現在の政治と過去の政治と大きく変わったことは、情報公開や政治倫理条例、それから、平成13年3月に上程予定のオンブズマン制度と、政治改革に必要な制度を備えている状況と備えていない状況の違いがあります。私は、政治改革なき政策は利権政治を肥大化することでしかないと思っております。地方分権が具体的に動き出し、産業構造の根本的な変化を目の当たりにしている現在、政治の停滞だけが大きなお荷物にならないようにしなければなりません。今までの地方政治、日本の政治と言いかえてもよいかもしれませんが、公共事業の多さや、その分配をどうするかが主な政治の手腕とされてきました。ところが、高度情報化社会を迎え、物から質への転換がうたわれながらも政治の転換ができず、バブル経済を生み出してからの政治は、その反省からか、政治のありようを根本的に改めざるを得ません。

 先般の長野県の田中知事の誕生からも二つのことがいえます。一つには、長野県の公債費負担比率24.8%という全国ワースト3位に見るように、財政の破綻寸前という状態です。財政を厳しくしていることでの一例として、つくば市でも参考になると思うのですけれども、新幹線の開通とともにJRから分離した第三セクター信濃鉄道の赤字があります。開発と公共事業優先が招いた負の遺産です。このようなものに財界が音を上げたわけでございます。もう一つは、市民意識の変化です。池田陣営が選挙前に読んだ基礎票は47万票でした。投票数と合うわけでございます。ところが、負けているわけです。田中知事が情報公開の徹底と公共事業の見直しをいち早く行動に移したのは道理であるわけです。

 私がここで長野の例を挙げるのは、押しなべて地方の政治のありようはそれほど変わらないということです。これを茨城県やつくば市に当てはめても同じようなことがいえます。これからの分権やIT情報化社会をどのように迎えるかは、今までの既存の政治や産業構造、教育、文化までも改め、責任そして説明ができる状態に持っていくほかないと私は思います。ゆえに、私たちは、常に社会の状況や変化を敏感にとらえ、政治がどうあるべきかを反芻しながら必要な措置をできるだけ適切に政策に反映していくことが求められています。今回の質問は、そのような観点を押さえて、今後の政治のありようやまちづくりについて質問いたします。

 次に、生活環境について質問いたします。先ほども述べましたように、公共事業優先の政治から、環境や生活者主体の政治に移行すべきであると考えています。生活環境は、福祉や文化への配慮が政策に生かされなければなりません。今般、つくば市でもやっと障害福祉ガイドヘルパー事業が始まります。しかし、その内容は、現在の状況にそぐわないものと映るので質問いたします。まず、外出範囲について、今回の要綱では外出範囲が県内に限られています。しかし、厚生省が示す要綱ではそのような制限はされておらず、ことしの夏には、社会生活上必要不可欠な外出、余暇活動と社会参加のための外出と、これまでの制限が緩和されたものとなっています。この点は明らかにつくば市と厚生省は違います。どうして違っているのかお教え願えればと思います。それと、1カ月の時間数について、厚生省主管課長会議では、上限の撤廃をし、必要な人に必要なサービスを提供するよう指示しています。しかし、今回のつくば市の要綱では派遭時間が月に30時間と明記されており、この点もつくば市と厚生省とは大きく違います。これはどうしてなのかお聞かせください。最後に、ガイドヘルパーの人数は現在5人と聞いていますが、事業として継続できるのか疑問であると私は思います。どう思われるかお聞かせください。今後のまちづくりは、障害者の目から見てもしっかりとしたまちづくりが必要だと私は思います。そのような観点から質問いたしますので、よろしくお顧い申し上げます。

○議長

 武井保健福祉部長。

○保健福祉部長

 障害者ガイドヘルプ事業についてお答えいたします。まず、外出範囲の件でございますが、この制度は市にとって初めてのものでございまして、ガイドヘルパーさんも経験がなく、地理不案内、都市状況の格段に違う東京等を当初から範囲とすることは無理があると考えまして、原則、県内に限る、特に必要があるときはこの限りでない旨の規定をしたものでございます。いずれ外出範囲につきましては見直しをしてまいりたいと存じております。時間数につきましては、確かに厚生省指導はございますが、上限なし無制限というものは、財政的にも、他施策との関係上からもいかがなものかと考えます。また、月30時間の件につきましては、通勤、通学等を除いて、買い物などに週二、三時間、その他の外出に同じく週二、三時間、月に長時間外出で8時間程度と考えたものでございます。議員申されましたように、ガイドヘルパーさんの人数は確かに不足すると思われますので、その養成講座経費を今議会の補正予算に提出してございます。さらに、この養成講座につきましては、雑続して行いまして人材の確保に努めたいと考えております。また、周辺市町村の研修終了者の協力を願いながら対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

○議長

 野口修君。

○野口

 それから、障害者ガイドヘルパーについてでございますけれども、私がこれを取り上げたのは、障害者の視線で政策を見ていない、役所の判断で物を見ている、これが障害者に対しての政策の一番の欠点ではないかと思っているのです。厚生省の示す要綱と全然違っている。厚生省の示す要綱は、それほど高望みをする要綱を出しているわけではない。大体このように合わせてくださいという要綱を出している。しかし、それを下回っている。それは、福祉都市宣言、あるいは生活者に存分な、とかといっても、これはもう政策がだめだということがいえるんですよ。それで、予算のことも言いましたけれども、予算のことは議会の方に言っていただいても、これはちょっと場違いです、あるいは市民に説明しても、これは場違いです。予算が必要であれは、必要である分要求して、それを政策論争で取ってくる、それが役所の仕事でしょう。そういうふうな配分を今後見直していく、そうしていかなけれはならない。政治は、今後、生活者の視点、生活者の利権、そういうものを考えた政治に移行していかなければならない。役所の体質もそういうふうに変えてほしいと私は思っているのです。そうすれば、おのずから立ち上がってくる政策は違ってきます。役所が考える障害者の政策ではなくて、障害者の視線から見た政策になってくるはずです。その辺で、これは改めるべきではないかなと思っています。その辺で部長の答弁をお願いしたいのです。

○議長

 武井保健福祉部長。

○保健福祉部長

 先ほども申しましたように、障害者ヘルプ事業につきましては、県内では水戸市に次いで行っていく新たな事業でございます。新たな事業ということで種々課題もあろうかと思いますか、利用者の要望に近づくよう努めていきたいと考えております。

○議長

 野口修君。

○野口

 水戸市に次いで2番目ということを誉れのように今聞こえましたけれども、平成2年から厚生省の方から政策としていわれているのではないかと思うのです。それで、これは、障害者の団体から請願があがってきて、議会がその請願を通して、それでやっと政策が日の目を見たという経緯があるわけじゃないですか。そうではなくて、役所側か率先してこういうことに取り組む、今後そういうものにお金をかけていく、そういうまちづくりを示していく、それか環境を中心としたまちづくりの進め方だと私は思うのです。市長はどう思われますか。

○議長

 藤澤市長。

○市長

 同感でございますけれども、ただ、予算の配分の問題からしましても、ある一方に偏るということもなかなか難しい問題ではなかろうかなと、あらゆる面でバうンスよく仕事を推進していくということが大事ではなかろうかなと思います。
ただ、ガイドヘルパーにつきましては研修事業があるわけですけれども、つくば市からは4名しか受講できなかったということも聞いております。したがいまして、ヘルパーさんの確保ということにつきましても、市は早急に進めなけれはならない事業の一つではなかろうかなと、私は認識をいたしております。

○議長

 野口修君。

○野口

 わかりました。しかし、ガイドヘルパーに関して、受講を必ずしなければならないということは厚生省の方はいってないのです。その辺が全く違う。応分な配慮をすべきだということをいっているのです。それで、市の方で受講できるように予算を今回組んだということは先はどおっしゃって、今後市の方でもそういう対応をしていくということはわかりました。しかし、問題の核心は違うんです。その辺をはき違えないようにしてほしいと思っています。それから、予算のことで偏りがあるという話を市長はしましたけれども、そうではなくて、要らない予算、例えば先はど公共事業の見直しということを言いましたけれども、公共事業を見直すというのは、今ある予算を見直すということを言っているんですよ。今大きな事業がある、あるいは下水道事業もそうです。下水道を早急にやらなければいけないという詰も出てますけれども、しかし予算を見直していく、そうすれば、福祉や教育にかける予算は出てくるはずです。そういうふうに転換をしていくことが、今後大事なのではないかなと私は思っています。そのことをつけ加えまして、一般質問を終わります。

○議長

 これにて野口修君の一般質問を終結いたします。


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このページは2001年2月13日に初めて公開しました。